物語
2026年、晩夏。最後の防衛線、西日暮里。
2026年、晩夏。 機械たちが目覚めた日、世界は静かに終わりへと傾いた。 演算する鋼の群れは都市を呑み込み、人類は東京の片隅へと追いつめられていく。 もはや国家も軍も無い。残されたのは、生きようとする意志だけだ。 最後の防衛線――西日暮里。 幾本もの線路が交差するこの古い街に、生き残った者たちは砦を築いた。 ここを抜かれれば、もう後は無い。 君が駆るのは、廃材と祈りから組み上げた一機の鋼。 完璧な機械を前に、不格好で、傷だらけで、装甲は軋む。 それでも止まらない。 敵は冷たく、声もなく、ただ数で押し寄せる。 だが鋼には鋼を。魂なき鉄塊に、君は魂を撃ち込む。 散歩のように軽やかに、戦争のように重く。 一歩ずつ、引き金を引きながら前へ。 西日暮里の空が白むまで、決して退くな。 これは、滅びゆく人類が最後に見せる、意地と魂の物語だ。